現在、多くの管理組合で輪番表を作成して順番に理事を選出しています。販売直後に管理会社から提案された輪番表は、マンション標準管理規約のコメントでおおむね10戸~15戸に1人とされていることから、それを一つの単位にいくつかのブロックで構成されたもので作成されています。例えば60戸のマンションの場合の員数は、6人~4人ということになります。
任期は、平成30年のマンション総合調査では1年が57%と一番多く、続いて2年が36.7%となっています。
年齢・経験・職種の異なる人が順番で理事になりますので、強いリーダーシップがない、または知識・経験がない問題の場合は、解決が先送りされてしまうことが多くあります。
例えば理事会で、建築や設備について議題になっても専門的知識や興味がない場合は、判断が出来ず、会話にも参加出来ない人もいます。
本来ブロックから選出された理事は事前に配付されたアジェンダの内容を確認して、必要に応じてブロックの組合員の意見を集約した上で、理事会の議論に臨み、ブロック組合員の意見を反映させることが必要です。
ブロックの代表であるという意識がなく、その場の個人の関心や知識から判断して賛否に参加してしまうと総会で疑問の声が上がることも考えられます。
現在、ブロックは輪番制理事選出の順番表のみに利用されているところが多く、階数別の横の関係から構成されているところも多くみられます。
災害時の復旧のことや騒音問題のことを考えると排水系統を考慮した上下階の縦でブロックを構成するように変更した方が合理的だと思います。
事情によって理事に就任出来ない時期に輪番が回って来た場合の処理は、理由等を記載した文章の提出を基に理事会で判断しているところが多いと思いますが、戸数が多いところでは現実が把握しにくいことがあります。
このような輪番制理事の選出も、ブロック内で決めてもらい、理事会に推薦して承認の上、総会に上程すると方法に変えることが、ブロック単位で組合員の意見の集約や意思疎通が出来るような仕組みになり、コミュニティが形成され「いざ」という時に動ける単位になるというメリットになると思います。
一度タイミングをみて、輪番表のブロック編成を組み替えることも検討してみてください。