「うちのマンションはペット禁止なのにペットを飼育している人がいる」「エレベーターも抱きかかえないでペットを歩かせて乗っている」「細則の禁止事項には『他の区分所有者に迷惑及び危害を加えるような動物を飼育すること』と書いてあるが、具体的な動物の記載は無かった」と言う声が理事会に届くようになりました。
飼育している人とペットを見かけるので、不動産屋もペット飼育可のマンションとして広告を掲載してしまう場合や飼育禁止と知っていても「強く禁止です」とは言わず、何となくうやむやにして「禁止のようですが飼っている人も多いようです」と販売につなげてしまう場合もあるようです。
役員が交代で就任している輪番制のため、いつからこのような状態になったかも分かりません。そもそも禁止なんだから、飼育ルールはなく、禁止事項を無視した違反者の良識に頼るしかない状態が続いています。飼育者がどんどん増えていくのが心配だけど、どこから手を付けてよいか分からず、時が過ぎていく状態は、全く管理ができていないということです。
この問題を解決するには、「このままではまずい」と理事会で共通認識を持ち、「問題を解決しよう」と決議をすることが第一歩です。
そして、現状把握のためにペット飼育に関するアンケートで現状をどの様に考えているか、ペットの飼育に賛成か反対か、実際にペットを飼育しているか、飼育している場合のペットの種類を聞いて、組合員の意向を確認して、過半数以上がペット飼育に賛成の場合は、ペット可のマンションにするように議論を始め、ペット飼育に反対が過半数以上の場合は、今飼育されているペットをどのようにするかを飼育者と話し合う必要があります。
飼育者は「うちのペットは、いい子だから迷惑・危害なんか関係ない」と思っている人や家族だと思っている人からは、今まで何の対応もせずに黙認していた管理組合が「禁止だから対応するように」と言い出せば、問題を複雑にするだけで解決に向かうとは思えません。
ペット飼育を続けたい人、ペット禁止だからここに住んだという人の双方が納得できる方法を探すには、互いに譲る姿勢が必要になります。
時間がかかりますが、ペット飼育を禁止する方向で問題を解決させたいところは、ペット問題Vol.2を参考にしていただき、ペット飼育を可能にしたいところは、コラム⑩「ペット飼育禁止から飼育容認にしたマンションの実例」を参考にしてください。