機械式駐車場の空き区画が増えているマンションが多く、苦慮しているところの話をよく耳にします。
原因は所有意識の変化と機械式駐車場のスペースと車のサイズ(高さ・幅)が合わず収納できないため、外部の駐車場を利用しているからです。外部の利用者に貸し出しているところもありますが、セキュリティーと税務申告の問題で踏み切ることができず、空いた状態のところもあります。
駐車場の空き区画が多く、設置から20年程度経過しているところでは、東京都駐車場条例の設置義務が緩和されたこと、使用されていない区画でも定期的なメンテナンスは必要なため、その費用の削減も含めて、機械の入れ替えや減築を検討することをお勧めします。
その方法は、まずマンション内の所有者・居住者が今後どのようになるか意識調査を実施して今後の所有台数を把握することです。
機械式駐車場を平置き式にする場合は、直接建設会社に依頼し、機械を入れ替える場合は、メンテナンス費用も含めてメンテナンス会社数社から見積もりを取りましょう。
見積りを精査してヒヤリングを実施した上で、施工業者を内定して住民説明会を実施後、再度アンケートを実施して、所有意識や工事方法の賛否の確認を行ないましょう。
築20年~30年の10年間の部品交換費用、減築によるメンテナンス費の削減額、高さ・幅のサイズから外部駐車場を利用していた方が組合の駐車場を利用してくれた場合の収入増をシミュレーションすることで、方向が見えて来ると思います。
最近経験した事例ですが、2段昇降式を平置きに変更する(4台→2台)ことを行政とも相談して進めました。管理会社推薦の業者と私が推薦した業者で相見積もりを取り、金額に差があったため、当方が推薦した業者で工事をすることを総会に上程する(部品交換・メンテナンス費から工事費を差し引いても今後の削減額は1,562,000円/25年間)ことにしました。
高さ・幅の制限が解消されて、2台分の駐車場収入(@18,000円×2台×12ヶ月=432,000円)も見込まれる提案で承認されたので、機械式駐車場の空区画問題は解消されました。メンテナンス費の削減額(70,400円)と合わせると502,400円/年のプラスとなりました。
機械式駐車場の入れ替え時期は25年~30年の間に計画されているのが一般的ですが、設置から15~20年を経過したところで、空き区画が多いところは早めの対応をすれば、費用が抑えられ収入も増える可能性がありますので、検討することをお勧めします。