平成25年のマンション総合調査では、理事の任期1年が約60%と一番多く、改選人数もほぼ同じ割合になっています。つまり1年間で全員の理事が入れ替わってしまうことになります。慣れた頃には交代の引き継ぎが行われ、時間が足りなかったと感じるのが現状のようです。
今まで総会の委任状は書いた記憶はあるが、一度も出席したことがなく、平日は朝出勤すると夜まで帰宅できない生活を送ってきた人に輪番制の理事が回ってきた場合、ほとんどの人が重い気持ちになり、「何とか逃れられないか?」と考え、いろいろ理由を探したが見つからず、1年間理事会で座っていればいいと思うようになって渋々輪番制理事を引き受けた方へ一言。「自分のマンションに興味を持つこと」「この際だから1年間理事を楽しもう」と思うことです。
そのためにやるべきことは、四つです。
①管理規約を一度読んで理解できないところに印をつける。印のついている部分を調べて納得できなければ、先輩理事の方または管理会社のフロントマンに聞くことです。
②マンションの共用部はどのようになっているか? どんな設備があるか? 実際に見て回ることです。フロントマンや管理人さんにお願いして、他の理事候補の方といっしょに巡回するといいでしょう。その際に設備を維持するためのメンテナンスはどうしているか? 気にして見回ることです。
③今期の事業計画と予算の確認です。計画の進捗状況を先輩理事に確認し、質問が出来れば上出来です。その上で今までに問題になったことやその対処方法なども聞いてしまいましょう。先輩理事の方が分からない場合は、過去の総会・理事会議事録に目を通しましょう。
④長期修繕計画通りに毎期チェックが行われ、実施の可否が検討されているか?おおむね5年ごとの見直しが行われているか?チェックしてみましょう。
ここまでやると「やる気のある人」と評価され、理事会で先頭を切らされる可能性がありますが、「どうせやるなら一生懸命やって行こう」と思うことも大切です。
そして理事の心得として、どんな問題に直面しても「このマンションを良くしたい」という気持ちを持ち続けて話し合い、相手の気持ちを理解しようとする姿勢と経験を次の理事候補へ伝えることが大切です。