平成27年10月(一部の保険会社は平成28年4月から)マンション共用部分用火災保険料が値上げされた。これは、築20年を越えるマンションでは、漏水事故が多発し、「水漏れ原因調査費用」の名目で保険請求が多くなり、費用が増大したからです。
保険会社からみれば、交換時期に交換されず、しっかり管理されていない管理組合のツケを請求されては困るという姿勢から築年数の多いマンションとの契約を見直したり、保険料を値上げしました。
築40年を過ぎたマンションで、現在と同条件で保険料の見積もりを取ったところマンション共用部分用火災保険が現行の2.4~3倍になったところもありました。
築年数が多いマンションでも適正な管理を行っているマンションには朗報のサービスが始まりました。それは「マンション管理適正化診断サービス」です。診断マンション管理士がハード面だけではなくソフト面も評価の対象とし、総合的に維持管理を評価します。
具体的な診断内容は、①管理運営状況、②長期修繕計画と修繕積立金状況、③法定点検・修繕工事の実績、④防犯対策・防火管理・保険事故歴等を現地で書類確認、目視と聞き取り調査を実施して進められます。
管理組合が診断前に用意する資料は、①管理規約、使用細則等の細則集、②長期修繕計画書、③総会議案書・議事録、④管理委託契約書、⑤工事報告書(大規模修繕、給排水工事・保証書)、⑥特殊建築物等定期調査報告書、⑦竣工図面一式(設計図書一式)、⑧消防用設備等点検結果報告書・結果総括表、⑨保険金請求書類一式と組合運営に必要なものです。
管理組合にとっては、普段疑問に思っていたことを専門家に気軽に尋ねることができるチャンスで、現状のマンションの状態を評価してもらえてアドバイスも無料で受けられるサービスなので、保険の更新時には一度試す価値があります。