多くの管理組合で駐車場収入を管理費会計に計上して、余剰金が多くなった場合や計画的に一定額を修繕積立金会計に繰り入れるようにしています。
管理費徴収額より支出の合計が上回っている場合でも、駐車場収入を充てることで、収支のバランスが保たれているところもあります。
標準管理規約では、駐車場収入は駐車場維持に必要な経費を除き、修繕積立金に繰り入れるとなっていますが、車の所有意識の変化で駐車台数が減少したことで収入減少と消費税増税や点検項目が増えた等で支出が増えたこととのダブルパンチとなり、修繕積立会計への繰入金額が年々減少しています。
とくに機械式駐車場で駐車台数が減少したところでは、25年程度とされている入替年前でも現在の自動車のサイズに対応した大きさの機械に入れ替えることで収容台数は減少しますが、サイズの問題で外部の駐車場を借りていた方が利用してくれることやメンテナンス費が削減できることも含めて、入れ替え時期を前倒しすることも所有意識の変化について、アンケート等を実施してその結果を基に検討する必要があります。
また、機械式駐車場の入替には、多額の費用がかかります。その費用のみで議論するのではなく、今までの駐車場収入の合計金額とその使用用途の確認と今後修繕積立金会計への定期的に組み入れる金額となる駐車場収入も含めて、議論することが大切です。
2021年9月に国土交通省が管理計画認定制度の導入を前提に長期修繕計画について、既存のマンションも計画期間を25年から30年とした上に繰越金の残高と30年間に積立てる金額の合計と定期的に組み入れる金額を合計した金額を専有部分の合計面積×360ヶ月で割るという新たな修繕積立額を示しました。現状の金額と単純に比べると大幅にアップしているので、現在徴収している修繕積立金との差額だけをみて、驚いたマンションがたくさんありました。
役員や中心的に活動してくれている方にお任せするのではなく、組合員としていろいろな立場から意見を出し、将来どのようなマンションにしていくのかという方向を一致させて、納得した金額を支払いたいものです。
考え方や家族構成等いろいろ異なる点がありますが、共用部分をどの様に管理していくかということは、資産価値と使用価値に影響を与えます。
安全で安心して暮らせるには、どのくらいの徴収額が必要か、30年間の長期修繕計画の内容と将来どのようなマンションにするかを確認しながら、議論することが大切です。