既存のマンションを対象に管理計画認定制度があります。これは2020年6月にマンション管理適正化法が改正されたことを機に2022年4月から17項目の基準をすべてクリアしたマンションに地方公共団体から認定され、5年間有効な制度です。
管理組合が成立していなく運営が始まっていない新築のマンションには、管理規約や長期修繕計画(特に修繕積立金の積立計画が重要)をメインに認定する「予備認定」があります。この申請は売主と予定管理会社が連名でマンション管理適正化推進センター(マンション管理センター)で行います。該当するマンションを購入する予定者には、住宅ローン(固定金利のフラット35)の金利が当初5年間0.25%引き下げてくれる制度でメリットがあるため、多くの売主は管理予定会社の協力を得て申請を行います。
長期修繕計画の修繕積立金の計画に関して
①積立金が著しく低額でないこと
(国土交通省が2021年9月に示したガイドラインを下回らないこと/
延べ床面積や階数の規模により金額が異なります)
②将来の一時金徴収が計画されていないこと
③増額積立方式の場合、その増額についてあらかじめ合意されていること
以上の3つをすべてクリアする必要があります。
2024年12月現在、1,642件の新築マンションが登録をしたと国土交通省が公表しました。
売主が住宅ローンの金利が当初5年間0.25%引き下げられることで、売りやすい条件になると思い申請されたものですが、管理組合が設立され所有者が運営を始めて5年後に管理計画認定制度として申請するかは疑問です。既存のマンションで長年の運営に関して評価を得ようとして申請したマンションと比べると予備認定は確かに購入時に明確なメリットがありました。
しかし、申請しても次の年度からメリットがなくなること、そもそも所有者が自ら申請を決断したのではなく、購入時の条件として示されただけなので、その後5年間、特に管理計画認定に必要な17項目について意識して運営に携わっていたという姿勢が見受けられないという管理組合が多いはずです。そのような管理組合が申請しようと思って実施するとは思えず、次の申請時期となる2027年以降登録件数が減っていくと考えているのは私だけでしょうか。