理事会で「管理委託契約更新に伴う委託料の改定」という議題がありました。理事からは「毎年値上がりますね」と声があがりましたが、管理会社担当者から「最低賃金の上昇から当社でも対応を迫られているのです」と回答があり、立て続けに「昨年と項目が異なります。昨年は日常清掃費で今年(2025年)は管理員の人件費です」と説明がありました。値上がり項目を確認すると、確かに清掃費と管理員と人件費は同じでも項目が異なりました。もう少し先まで調べてみたところ、2023年に管理員の人件費が113.7%値上がりしていました。今回の改定は109.7%で合わせて2023年比で通年計算すると実に124.8%の上昇となります。
最低賃金は2023年1,113円で2025年1,226円、通年で計算すると110.2%となり、上昇率だけを考えると最低賃金の上昇の一言では説明が付かない状況になってきました。担当者は「福利厚生も上昇しています」と補足しましたが、理事も会社勤めの方が多く、毎月の負担率の推移はご存じなので説明不足は否めません。
そもそも管理組合は管理会社と契約している訳で、管理会社と管理員の雇用関係には関与出来ない立場なのです。
管理会社から管理費用の値上げが申請された場合、輪番制で運営されている理事会では昨年分との比較だけではなく、値上げの項目を縦軸、年数を横軸として6~8年分を一覧表にして確認しておかないと継続性が担保されず、総会で組合員からの質問に対応出来ない状態となってしまいます。
最低賃金が毎年上昇している昨今、管理会社関係だけ賃金が上がらないことはありません。効率よく管理維持を行うために仕様書の見直しが不可欠です。例えば、日常清掃において、毎日丁寧に落ち葉を掃き集める作業は本当に必要でしょうか。雨の日に通路が滑りやすくなる箇所を除けば、多少の落ち葉があっても「見苦しい」と感じる人は少ないはずです。問題なのは、落ち葉にゴミが混ざり、不衛生に見える状態です。「ゴミ拾い」に重点を置いた仕様に変えれば、作業時間が短縮でき、人員コストも抑制できる可能性があります。管理員業務についても同様です。一ケ月の業務内容を精査し、DX(デジタルトランスフォーメイション)の導入を含めて効率化を図れば、作業量と拘束時間を削減できるはずです。
何もしなければ、人件費の上昇とともに管理費用は膨らみ続けます。自分たちの敷地と建物を限られた予算でいかに賢く維持管理して行くか、今まさに管理のあり方を再考するべき時期に来ています。